【中国漫遊】香港 vol.26 雪廠街(Ice House Street)

可愛らしいコーナーハウスの元冷凍庫は現在では「fringe club」になっています。
中環(central)には雪廠街(Ice House Street)という名前の道があります。この道の名前は、その昔天然の氷を貯蔵する冷凍庫が、この辺り一帯に建っていた事に由来しています。冷凍庫ができたのは1845年。その頃、香港の氷は北米の湖や川から運ばれて来ていました。当時の雪廠街(Ice House Street)の北側はヴィクトリア湾に面していて、氷の貯蔵や荷降ろしがとてもスムーズに行われていました。北米の氷は、香港の氷市場をすべて独占し、近くの病院や人々へ提供されていたのです。1880年代に湾仔(wan chai)に氷の設備ができ、香港産の氷の製造がはじまります。その頃から輸入の氷と冷凍庫は少しずつ姿を消して行きます。しかし、その後も雪廠街(Ice House Street)には氷や乳製品の冷凍庫が建てられました。今、唯一現存している建物があります。1913年に建設されたレンガ造りの可愛いらしいコーナーハウスです。建物は長い間放置され廃屋になっていましたが、歴史的価値を認められ1984年に芸術の拠点となる「Fringe Club」としてスタートしたのです。「Fringe Club」では舞台の公演や展覧会が開催されています。隣には外国人記者クラブがあります。長い時がたち、この辺り一帯の主な役割は、冷凍庫からアートへと変化をとげ、今では通りの名前と一つの建物だけが、当時を偲ばせる貴重な街の遺産となっています。

隣には外国人記者クラブがあります。
【おーた・桜(おーた・さくら)】
静岡県出身。イラストレーター。アート活動をしながら08年より香港で暮らしている。
埠頭と小さな浜辺のあるのどかな町に暮らす。猫が好き。3月21日よりCentral 「culture club gallery」にて個展を開催予定。






